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「まったく風まかせで飛びます」

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グライダーに乗った佐藤先生と森田監督とのやり取りがとっても好きです。そして先生の言葉にとても考えさせられています。グライダーは完全に風任せで飛ぶから、どこに飛んでいくかわかりません。「それでいいんです」と先生は断言されます。人間はずっと風任せで生きてきているとは思っていないと思います。自分の動力でコントロールどおりに飛んでいると思っているのだと思います。しかし映画「和」は、ほんとうにそうなのか?と問い掛けます。風任せでいいと思って風任せで行くこと。風任せなんかじゃない、風任せではいけないと思いながら結局、風任せなこと。この差が生むものが何なのかということを考えています。ラストのグライダーの飛翔シーン。意識と無意識。自由とは何なのか。とても多くのことを考えさせられます。いま感じていることは、これまで人間が生きてきた自由は、とても不自由だったのではないかということです。この「実はとても不自由」という感覚は映画「和」を見て初めて持った感覚です。混沌の今を風任せで飛ぶグライダー。いままで感じたことのなかった世界との一体感を感じました。

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