「ワンネス・キャラ入りオフライン初版」の前半をウエブカメラで公開して、数人に見てもらいました。
その感想を読むと、監督が作ろうとしたものは、よく表現できていたようです。
ひとつが、カメラをバックしながら撮ったことです。
これは私たちが生きていく時と同じだと思うからです。
私たちに見えているのは現在と過去だけです。
一寸先は闇かも知れないし、光かも知れませんが、見えません。
だとすれば、カメラはバックで撮るべきです。
「ワンネス・キャラ入りオフライン初版」の前半見た人の感想は
「最初、逆再生しているのかしらと思ってなんだか不思議な感覚になりました」
「カメラが後退していくので何かフイルムが逆回転しているような…、でも人々の動きはスムーズで見たことがない映像だと思いました」
「パトカーの後ろの窓からの撮影は本当に斬新で、とても面白い映像だと思いました。普通だと景色は横から後ろに過ぎ去っていくのに、景色が後ろに引いていって、最初の瞬間、どこからの景色なのか、自分の立ち位置がわからないような感じがしてクラッとする感覚がありました」
「智也がゼロ次元に飛ばされて、アニマの足からのカメラアングルで、足から映すのかーという驚きがあってドキドキしました」
「カメラがバックしながら撮った映像からの場面の展開がすごくいいなと思いました。観客も、一緒に場を変えられたような・・不思議な感覚になりました。容子が研究室に入って行く時、容子の目線の先ではなく、ずっと容子の様子を映しているのが、すごく緊張感が伝わって来て、よかったなと思いました」
このように、カメラを後退させながら撮るというのは、成功したようです。
でも撮影は結構大変なんですよ。
レールを敷けば安定して撮れますが、真後ろを撮るので、敷いたレールが映ってしまうので使えません。
となるとカメラを手持ちにして下がりますが、カメラマンは後ろが見えないので補助する人が必要になります。
しかも目指す主人公はずっと後ろにいます。
三部屋後退してやっと主人公にたどり着きますが、他の映画では元々、主人公に狙いを定めて近づくと思います。
でもそれは、私たちの生き方ではないはずです。