ビーナスは家に帰りました。
洗濯物を干しながらアレスのことを思いました。
「彼、無事に脱出できるから?」
そのとき、物干し竿が落ちました。
「あ、これは外応」
夫に言いました。
「あなた、しばらくアテナのところにでも行ってこない?」
「いいのかい?」
「いいわよ、あなたの子をアテナが育てているわ。たまには顔を出したほうがいいわ。少しゆっくりしてきなさい」
「わるいね、じゃあ」
(爆)
キューピットにハルモニアの面倒を見るように頼むと、 ピッチリとした金色のウエアを着て小型宇宙船に乗りました。宇宙船の色ももちろん金色です。
バックミラーの角度を変えて、自分の髪型をチェックすると宇宙船を発進させました。
地球を飛び越えるとき思いました。
「ここにはまだ生命はない。けれど生命で満たされることになる。そのことにアレスは命を捧げようとしている。やっぱり宇宙いちのいい男だわ。アレス、私が着くまで生きていて」