映画ワンネスを海外の映画祭に紹介するための文章を書きました。
『「私」とは何でしょう?
「私」とは、人生を作り出していくうえでの原因でしょうか?
ここに疑問を投げかけたのが、映画「ワンネス」です。
私たちは、「私」が未来を作り出していると思っていますが、実際のところ一秒後に何が起こるかわかりません。それは撮影手法にも反映されています。映画「ワンネス」では前方を映しません。登場人物が動くときは前から撮るので、スクリーンに映る風景は現在と過去だけです。すべての生命体はこうして生きているはずだからです。
一秒後に何が起こるかわからないということは、「私」とは、原因ではなく結果であると言えるかも知れません。
「私」の内部を見れば、無意識からの指令で動いている部分が大きいです。ということは「私」は無意識の結果だということになります。映画「ワンネス」では意識と無意識を分離させて物語りを進めます。これにより「私」の中の結果の部分と原因の部分が別々に表現されます。そして最後には再統合されます。
ここまでは「私」の内部の話ですが、「私」の外部で言えば、周囲の結果であるとも言えます。なぜなら生命体は周囲の影響がとても大きいからです。ということは「私」と周囲は切り離されてはいないということになります。
映画「ワンネス」ではヒロインを二つの手法で救います。ひとつは意識と無意識の統合です。もうひとつは自分と周囲の統合です。映画の題名は「統合」から取りました』
英語とフランス語に訳します。
ということは、もちろん外国人向けです。
「私は結果」という概念を、どう受け取るでしょうか?