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不純物半導体は多品種

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 僕が半導体を使って無線機を組み立てたのは、高校生の時です。
 プリント基板というのを自分で設計し、そこにはめ込む不純物半導体を秋葉原に買いに行きます。
 
 高校のある武蔵境駅から秋葉原駅までは30分くらいかかり、ひとりで行くのですが、なぜかルンルンです(笑)。
 だって沢山の電機部品を見ることができるからです。
 
 当時の秋葉原はメイド萌えみたいなのは全然ありません(笑)。
 アキバとも略されていませんでした。
 なので翌日カノジョから
 
「森田君、きのうまたアキバに行ったんだって?(汗)」
 
「うん・・(どしてバレたんだろう(汗))」
 
 という会話もありません(笑)。
 むしろ
 
「森田君、きのうまた秋葉原に行って部品買ったんだって?」
 
「うん・・」
 
「すごいなあ」
 
「まあね(バレてうれしい(笑)」
 
 当時の秋葉原はエレクトロニクスのハードな世界だけでした。
 万世橋出口から降りると、目の前に「ラジオデパート」があります。
 デパートとは名ばかりです。
 戦後の闇市みたな店がずらりとならんでいます。
 それで不純物半導体を買います。
 
「えーと、2SC1301と、2SB558と2SA43と2SC471と・・・」
 
 とにかく種類が多くて間違えないように取るのが一苦労です。
 半導体をプラスチックのお皿に入れて店のオジサンに渡します。
 
「328円だよ」
 
 意外に安いです。
 そして2時間近く電車に乗って家に帰ります。
 離れの勉強部屋に入ると、さっそくプリント基板にはめ込み、半田付けを開始するのですが・・・。
 
「ガーーーーーン、2SC1301じゃなくて2SC1302を買ってしまった(汗)」
 
 数字がひとつ違ってもダメです。
 
 ところでなぜこれだけ多品種なのでしょうか?
 
 それこそ「不純」のなせる技です。
 
 純粋は一個しかできませんが、不純は、不純物の量とかを変えると沢山の品種を作ることができたのです。
 
 60億の人間が全員違うのも、不純のなせる技かも知れません(笑)

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