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映画「ワンネス」 『低予算映画を大作に変える撮影術』3

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 レールを設営しているところの写真ですが、昨日のとはシャッターを切った角度が違います。
 注目していただきたいのは俳優が座っているベンチの方向です。
 本来は右の垣根のような植え込みと平行でした。
 なぜベンチの角度を変えたのでしょうか?
 それは後ろにある小学生用の遊具(ゆうどうえんぼくとジャングルジム)です。
 ベンチが本来の位置にあり、レールを斜めに敷くと、遊具を背景として映り込んでしまうのです。
 このベンチのシーンは50秒です。
 50秒間にも渡り、背景にジャングルジムがあるとすれば、かなり気になるはずです。
 成蹊大学は小学校から大学までひとつの敷地にありますが、そういう学園は他にはほとんどありません。
 高校の敷地にジャングルジムって?…俳優を見るのではなくジャングルジムを見つめてしまいそうです(笑)。
 というわけでベンチの角度を変えました。
 でも弊害もありました。
 いままで見てきた背景との整合性が崩れるのです。
 しかし「なんか変だ?」と思っても決め手になるブツは見えません。
 何が言いたいかといえば、昨日と同様にここでも「8割の法則」が働いているのです。
 おそらくアニメは10割に近く上がると思いますが、実写映画はロケの場所が計画したものにならず、常に8割だと思います。
 そのとき不満に思うか、満足を感じるかは、まるで人生そのものだと思います。
 いえ、人生は8割どころかもっと下がると思います。
 あなたは何割だと不満を感じるようになるのでしょうか?

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