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演じることと、正直に生きること

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「鈴木先生」という映画を見ました。
 そこでテーマとなっていたのが「演じる」です。
 担任の鈴木先生は演じることの大切さを教えます。
 よい子を演じるだけでなく、悪い子を演じることも含まれます。
 
 映画では文化祭でやる演劇の練習風景も出てきます。
 まさに演じることをやってみるわけです。
 
 私はそれまで学園モノが嫌いでした。
 ワルが出てきて、低次元の問題に振り回されるからです。
 しかし鈴木先生のクラスには、低次元のワルがいませんでした。それだけでも斬新でした。
 クラス替えの時、先生方がじゃんけんで生徒を指名するのですが、鈴木先生は演じる能力のある子ばかりを取ったのです。しかも美人が多いです(笑)。
 
 映画の冒頭で労務者風の男が学校(中学)を訪ねてきます。出身校の先生に人生相談するためです。鈴木先生は自分が指名されると思ったら違いました。労務者風の男は職員室を出るとき言います。
 
「鈴木先生、優等生ばかりを相手にしていては卒業生が鈴木先生になんか相談に来ないでしょ。きっと鈴木先生のことなんか忘れていますよ」
 
 鈴木先生は苦笑しますが、鈴木先生が職員室を出るとき、他のクラスの女子から言われます。
 
「痛いところを突かれましたね」
 
 その後、映画ではいろいろな事件が起こります。
 最大の事件はナイフを持った男が乱入して、優等生の女の子を公然と犯そうというわけです。
 男は言いました。
 
「この学校の教えを守って生きても、何の役にも立たなかった」
 
 彼は鈴木先生の教え子ではありませんでした。
 優等生の女の子は脅されても平然としています。
 
「おい、怖くねえのかよ? 泣けよ、わめけよ」
 
 女の子は言います。
 
「鈴木先生の教えに従って冷静な私を演じています」
 
 泣きわめけば男が優位に立つと思います。
 でも・・。
「場」は女子が制していました。
 
 パトカーに連行される男に鈴木先生は言います。
 
「これからでも遅くない。君だって世界を変えることができるはずだ」
 
 職員室を出るときに皮肉を言った女子が言いました。
 
「鈴木先生に教わった人たちは、今を生きるのが楽しくて、先生のところに相談に来る暇がないのかも」
 
 演じるということがクローズアップされることは珍しいです。
 正直に生きることが大事だと教えられてきたからです。
 みなさんはどう思いますか?  

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