スクランブル交差点は、日本にしかないのも知らなかったけれど、監督がそんなスクランブル交差点を最初の渋谷のインタビューシーンにもってきて、そして最後のフランス人シェフさんのインタビューされる声のバックのシーンにもってきたのがとても印象的で、とても好きなシーンです。交差点の全体像をちゃんと見たこともなかったけれど、あのシーンは和について聞かれたシェフさんが、フランス語にはその言葉はないってことを答えてて、和菓子についてもそれに匹敵するような言葉はないと答えてるシーンと重なって、このスクランブル交差点も何だかどう表現していいのかわからないような不思議な感覚がありました。みんながそれぞれの方向にそれぞれのスピードで歩いて、それがきれいにすれ違っていくとこが何だかとても心地よくて吸い込まれました。向かう方向に一直線に突き進んでいったらぶつかりそうだけど、だれひとりぶつかるような人はいなくて、考えてみたら、不思議な光景だなぁって思います。それぞれの歩くスピード向きも違うし、すぐにくっつきそうなくらいの人混みのなかをぶつからずにあるけることのほうが不思議なのかもしれないです。けれど今までそんなふうに考えてみたたこともなかったです。大勢の人混みのなかをまっすぐは歩いてないはずだと思うだけど、周りの人たちが障害物って感じでもなく、本当に自然に周りの動きに合わせて歩いてる感じがしました。未知のセンサーみたいなのをもってるような感じがします。メインで五感の話題が出てきたけれど、あのスクランブル交差点でも言葉じゃない何かを感じ取って歩いてるのかもしれないと思いました。あの様子をもしも宇宙人のアンドレとかキララたちがみたらどう感じるのかなとか思ったりします。相手の無意識を読みとって姿まで変わっちゃうアンドレたちにとっては相手のアニマやアニムスという姿としてじゃないけれど、やっぱり無意識が表に現れてるように感じるのかもしれないと思いました。何だかとても心に残るシーンでした。
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